【お話】 カナダの「オペレーション・イエローリボン」9.11支援の知られざる史実

9.11同時多発テロ発生後、アメリカ合衆国からの多くの航空機がカナダ・ニューファンドランド州のガンダーという人口1万2千人の小さな町に緊急着陸せざるを得ませんでした。理由は、大西洋横断飛行が不可能になったためです。

この時、ガンダーの住民たちは、6500人ものアメリカ人乗客を温かく迎え入れました。自宅に泊め、食事を提供し、温かいおもてなしで被災者たちを支えました。ある住民は、自分のトラックの鍵を黒人乗客に渡し、近所のBBQを借りて回るよう頼んだという逸話も有名です。近隣住民は皆、彼を快く迎え入れ、お茶を振る舞ったそうです。

この出来事はミュージカル「カム・フロム・アウェイ」にも描かれ、カナダ人の寛大さと人情を示す象徴的な出来事として語り継がれています。しかし、その後アメリカ合衆国の政治状況の変化によって、この出来事が忘れ去られつつある現状にカナダ国民は落胆を感じているようです。アメリカとカナダの関係、そして感謝の気持ちについて、改めて考えさせられる出来事です。